【問題提議】拉致被害者とストックホルム症候群 〜最終章〜
※最終章に入る前にお読みください。
ストックホルム症候群 出典:Wikipedia
※ストックホルム症候群(ストックホルムしょうこうぐん、Stockholm syndrome)は、精神医学用語の一つで、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者が、犯人と長時間過ごすことで、犯人に対して過度の同情や好意等を抱くことをいう。
『拉致被害者とストックホルム症候群 〜最終章〜』
今回で拉致被害者とストックホルム症候群と題した問題提議は最終章になります。
2015年も、拉致問題は全く進展しませんでした。
本当に、本当に、何らの動きもなく進展しませんでした。
この件について、拉致救出団体も個人も全く反省せず、相変わらず戦争だの暗殺だのと日程すら決まっていない不確定な主張を繰り返し、個人的な願望を主張して去年の救出活動は終わったと想います。
全くもって「最低の1年」であったと慙愧の念で胸がつかえます。
特に、各救出団体の代表クラスには猛省を促すとともに、私自身も己に猛省を課すものであります。
本題に入る前に、去年の拉致救出活動を自分なりに総括します。
拉致救出メジャー?団体や拉致救出界隈の有名人?がやった③つのこと。
①社民系左派の署名拒否にブチ切れ→ハッキリ言ってお話になりません。
署名拒否の度にブチ切れるのならば拉致救出活動の度に大騒ぎしないといけませんし、ニュースにしないといけませんが、そんなことは日常茶飯事です。
署名運動を長らくやっている人ならば、署名拒否程度のことでブチ切れるわけがなく、そんなことで大騒ぎをされるのは拉致救出ボランティアを馬鹿にされたような気持ちになりました。
本当に愚かな大騒ぎで拉致被害者救出に全く関係の無い愚かな行為でした。
②TBSがブルーリボン着用した悪徳代議士が出演するドラマを放送したことにブチ切れ→これも拉致被害者の救出にはまったくもって関係がないことです。
勘弁してくれと言いたい酷い顛末で、TBS社に対して「土下座すれば許してやる」という暴言も飛び出しました。
人を救出する団体が民間企業に土下座を強要するとは本末転倒であり、これもまた不毛な大騒ぎでした。
むしろ、拉致被害者救出活動やっています詐欺といったところでしょうか。
絶望的な馬鹿な事をやってくれたと自分は憂いております。
③救う会神奈川と救う会徳島に対して、救う会全国協議会が不当な退会勧告→これは最悪でした。
救う会神奈川と徳島の代表が特定失踪者・北朝鮮人権ネットワークを特定失踪者家族、北朝鮮帰国者日本人妻家族と結成したあとの出来事でした。
救う会全国協議会には認定拉致被害者の事しか頭にないのか?
いや、認定拉致被害者の救出さえも頭にないのかと想ってしまうほどお粗末な権力の横暴であると私は愕然としました。
救う会全国協議会のTwitterでは「最終決戦の時、不退転の決意」とサスペンスドラマのような長いタイトルで広宣流布が行われていますが、最終決戦は愚か退転の連続のような気がします。
あれだけの救出団体で構成されているのにも関わらず、代表の交代も無い、救う会全国協議会に遺憾の意を表明します。
去年の活動を総括すれば大きなマイナス面は上の③つに集約されると想います。
しかし、良いことがなかったわけではありません。
③つめのマイナス面と関係があることですが、特定失踪者・北朝鮮人権ネットワークが発足したことです。
特定失踪者・北朝鮮人権ネットワークは救う会全国協議会による不当な退会勧告によって退会を余儀なくされた救う会神奈川の川添代表と徳島の陶久代表も参加。
特定失踪者家族や北朝鮮帰国者日本人妻の家族も参加している拉致被害者救出の実現を目指す運動体です。
私は特定失踪者・北朝鮮人権ネットワークを断固支持します。
そして、リベラルからの北朝鮮問題(通称:live-kara)発足も去年の拉致救出活動のプラス面と言えるでしょう。
拉致救出活動においては保守界隈の団体や活動家が跋扈し、さも救出活動を右だけの独占的、独善的なものにしようとする趣がありますが・・・それらの悪しき風潮の打破と拉致問題に右も左も、認定も、非認定も、出自も、来歴も関係なく、それらの問題を共に訴えていくシングルイシューの尖兵となって戦って頂きたいと願います。
希望もあります。
まだまだ、私には共に戦ってくれる仲間たちがいるという希望も垣間見た1年でした。
個人的には、相変わらず決別と離反の1年でした。
私は特定失踪者・北朝鮮人権ネットワークの支持者であり、リベラルからの北朝鮮問題(通称:live-kara)に賛同するものです。
私は2団体の主張の通り、ストックホルム交渉の調査結果を北朝鮮に要求すると共に、調査結果の精査と情報収集、及び、ストックホルム交渉やモンゴルルート交渉による奪還を探っている一人でもあります。
私の主張や活動方針と合わなくなってしまった人も多いと想います。
結果的に決別と離反の一年になりました。
既存の拉致救出団体との決別。
そして、共に拉致被害者の救出と北朝鮮人権問題を訴えてきた方々との決別。
デヴィ・スカルノ夫人による拉致被害者家族に対する救出を諦めろという滅茶苦茶な主張や、新社会運動による北朝鮮帰還事業再開デモという卑劣なヘイトデモに共に反対していた方々との決別もありました。
断腸の想いでしたが、私も自分なりにまじめに取り組んでいるのであり、キレイ事だの偽物だのと言われる筋合いはありません。
私も人間ですし、プライドもあります。
言うほうは楽しいのかもしれませんが、言われたほうがどういう気持になるのか?
普通ならば考えれば解りそうなものですが・・・理解されないのならば関係を切ってしまったほうが得策と判断しました。
多少なりとも、私自身が自分の事を嫌いになる状況をつくる方々とは縁を切っていきたいと想います。
戦争だの、暗殺だのと言っても、未だ戦争も暗殺も起きる気配も無く、頼りの米国も北朝鮮のテロ指定すら消極的であり、自衛隊も領域外の集団的自衛権の為に忙しく、対北戦争の準備すらやっていません。
私達には、やれ戦争だの、暗殺だのと騒ぐ時間はあるかもしれませんが・・・高齢の拉致被害者にそんな確約もないような戦争や暗殺を待つ時間があるのでしょうか?
もう、時間がないので交渉による奪還についても躊躇なく主張します。
ストックホルム交渉の約束を北朝鮮に守らせ、モンゴルルートによる救出も自分は諦めませんし、拉致被害者家族、特定失踪者、北朝鮮帰国者日本人妻を救出するためなら、金銭も湯水の如く使うべきというのが私の決意です。
戦争だの、暗殺だのというものも、個人的に全否定をする立場ではありませんが、10年前ならば通用した主張も今となっては無理筋ではないでしょうか?
もう、1年も時間があるかどうかも解りません。
今、出来ることは全てやるべきです。
安倍訪朝すら出し惜しみしているような悠長な事を言っている暇もないというのが私の認識です。
序章ではストックホルム症候群という犯罪者と被害者の奇妙な関係・・・共依存関係について書きました。
本章では拉致被害者がストックホルム症候群になっている可能性と具体的な救出方法や対処法について書きました。
最終章は日本国内の救出活動そのものがストックホルム症候群、北朝鮮と共依存関係に陥ってのではないかということを書きたいと想います。
先ず、日本政府の拉致被害者救出への取り組みですが・・・北朝鮮での生存が確認されている認定拉致被害者の寺越さんや渡航記録のある北朝鮮帰国者日本人妻について全くもって対応せず、存在すらも忘れているかのような状況です。
寺越さんは海難事故によって遭難して北朝鮮に救助されたことになっていますが、渡航往来の自由も、言論の自由も無く、連絡も自由にとれません。
私から見れば、寺越さんは北朝鮮に幽閉されている生存拉致被害者です。
北朝鮮帰国者日本人妻も「北朝鮮は地上の楽園」というキャチフレーズによって日本政府や、与野党の政治家や、朝鮮総連などの北朝鮮の体制組織にそそのかされて地獄に落とされた拉致被害者です。
地上の楽園と謳われた北朝鮮に帰国者の妻として同行した日本人妻の方々は日本語が話せるという理由でスパイ容疑をかけられて、強制収容所に幽閉されているという情報もあります。
なんと、恐ろしいことでしょうか。
生存が確認されている拉致被害者の寺越さんと、渡航記録のある北朝鮮帰国者日本人妻の事すら、対応しないということもおかしな話ではないでしょうか?
北朝鮮帰還事業を自民党も推進していたと記憶していますが、自民党は都合の悪い事を何か隠しているのではないのでしょうか?
自民党には金丸訪朝団をはじめとする親北派もいたことですし、今になって驚くことでもありません。
都合の悪い事情があるのならば、正直に包み隠さず、帰国者日本人妻の件に取り組まない理由を説明して頂きたいと強く願います。
また、度々・・いやコロコロと変わる拉致担当大臣という役職ですが・・・そもそも、拉致担当大臣には啓発支援や家族支援程度の権限しか無く、ストックホルム交渉やモンゴルルートにおける交渉においての発言権等の強い権限を有しているわけでもないのです。
いっそのこと強い権限を持った菅官房長官が拉致担当大臣を兼任すれば私は良いと思いのですが・・・なかなかそうはならないみたいです。
併せて、気になるのが啓発支援と家族支援。
勿論、啓発支援や家族支援が必要が無いとは言いませんが・・・そこに利権が生じてしまえば活動が拉致被害者の救出という目的からズレてしまうのではないかと懸念しています。
(※もはやズレていると思われ、注意深く見守っています。)
拉致問題の啓発活動は民間主導で主体的にやっています。
政府が取り組むべき課題は民間とは違うものでなければならないはずです。
結果をだすのが政府の役目です。
どうか、このことを忘れないよう強く願います。
政府による拉致啓発活動といえばコンサートや北朝鮮人権侵害問題啓発週間ですが、コンサートも民間団体や個人が既にやっています。
北朝鮮人権侵害問題啓発週間については、拉致問題に絞った演題やポスターが多いようですが、政府に認定されていない拉致濃厚な特定失踪者、北朝鮮帰国者日本人妻、残留邦人、遺骨問題、飢餓浮浪児(コチェビ)問題、日本以外の外国で起きた北朝鮮による拉致被害者の問題等、もっとテーマに幅をもたせるべきではないでしょうか?
北朝鮮国内の人権問題である強制収容所や公開処刑等も啓発するべきでしょう。
北朝鮮が如何に残酷で巨大な強制収容所であるかということを広宣流布し、国際社会にも北朝鮮人権侵害問題を啓発する更なる努力を強く願うものであります。
各救出団体の主張の幅も狭いと感じます。
認定拉致被害者だけの問題でもなく、右だけの問題でもなく、日本だけの小さい問題では無いという事を真面目にアピールすべきではないでしょうか?
拉致被害者、特定失踪者、北朝鮮帰国者日本人妻のみならず、最後の最後には北朝鮮という巨大な強制収容所からすべての人達を解放するという強い意思が必要です。
戦争反対という立ち位置でも良いんです。
北朝鮮の人民や、本来ならば同胞である韓国が、政治的解決によって金体制打倒を実現するという道も諦めてはいけません。
それを考えれば、在日朝鮮人や在日韓国人の方々と共闘する必要もあるでしょう。
横田早紀江さんが言っていた、めぐみさんが残した足跡とは何でしょうか?
それは人と人を繋げ、家族と故郷を結びつける足跡ではないのでしょうか。
人と人を引き離すことは悪です。
人と人を結びつけるのが善です。
横田めぐみさんが残した足跡は、人と人を結びつける足跡であると信じています。
その足跡の上にウンギョンさんや横田めぐみさんの配偶者(韓国人拉致被害者)や家族も居るわけです。
そこを辿れば、必ずめぐみさんに巡り会えることを私は信じています。
戦争なんか必要ないのです。
拉致被害者の居場所も解らないのに戦争なんかやれば、家族の再会を放棄することになります。
どうか、戦争反対と平和を訴える方々も積極的に拉致問題に関わって頂きたいと願っています。
そして、北朝鮮帰国者を抱える厳しい状況なのは充分理解したうえで、在日コリアンの方々も共に引き裂かれた家族の再会を実現する為に立ち上がって頂きたいと強く願います。
もう、保守だけの力では拉致被害者の救出を実現するのは厳しい状況なんです。
助けてほしい。
助けてください。
家族の再会だけが私の願いです。
売国奴と言われようが、キレイ事と言われようが、偽物と言われようが、なりふり構っていられないのです。
ストックホルム症候群に陥ってしまった現在の拉致救出活動では限界なんです。
ストックホルム交渉の調査報告無期限延長と拉致被害者の一括全員帰国という高いハードルでは北朝鮮の時間稼ぎに塩を送るだけです。
数人の帰国でも良い。
面会でも良い。
それが、例えば認定拉致被害者じゃなくて特定失踪者や帰国者日本人妻や北朝鮮残留邦人であってもストックホルム交渉の調査報告に名前があがっていれば対応するべきです。
また、北朝鮮に遺っている日本人遺骨問題にも対応するべきでしょう。
遺骨問題も人権問題として取り組むべき問題だと想います。
対北交渉で懸念されるのは、交渉による見返り・・つまり経済支援ですが、物資による人道支援で良いのではないかと思います。
そのためにも、米国には北朝鮮をテロ指定してもらわないければいけません。
世界銀行や国際金融機関経由の北朝鮮への金の流れを遮断して日朝交渉に応じる状況に追い込むのです。
麻雀の名人は、相手に自分が切ってはいけない危険牌を切りつつ、相手に自分の役が成立する本命の当たり牌を吐き出させるそうです。
戦争にしても、交渉にしても、無傷とはいきません。
対北交渉による奪還も決してキレイ事ではないのです。
この場合は外交というよりも、犯罪者交渉人(ネゴシエーター)によるネゴシエートです。
安倍さんには、是非とも犯罪交渉人となって、動いて頂きたい。
とにかく再会を実現することです。
難しい問題を解答しようとして、解けるはずの簡単な問題を解けずに時間切れになって赤点をとるような愚かなことは許されないと私は思います。
まして、人の命がかかっている訳ですから。
戦争や暗殺をするならば明確な開戦時期を設定すべきでしょう。
ストックホルム交渉の調査報告を無期限延長にした以上、対北戦争は開戦時期に期限を設けなければいけません。
いつ頃、開戦するのか?
いつ頃、暗殺するのか?
期限を決めて確約するのであれば、戦争だの暗殺だのという手段も否定はしません。
しかし、国際社会も日本政府も残念ながら北朝鮮への武力制裁は愚か暗殺も検討すらしていない状況です。
もう、待てないのです。
だから、自力で勝負するしかありません。
相手のイカサマテーブルの上で勝負して勝つしか無いのではないでしょうか?
出口戦略というものは時間を早めるということです。
そこで私が出した結論は、戦争だの暗殺こそが時間がかかるという結論です。
戦争や暗殺と言いながら、自衛隊は北朝鮮による拉致被害者の奪還より、安保法制によって米国や連合国の命令によって、領域外での戦争支援を命じられる状況です。
国命による邦人奪還という任務遂行が出来ない状況なのです。
そもそも、拉致問題とは啓発運動をしなければ国家が動けない問題なのでしょうか?
民間団体や市民団体による啓発運動があろうがなかろうが、早急に北朝鮮から拉致被害者を取り戻すことが国の役割であるはずです。
邦人救護という意味では、ISISに拉致された湯川さんや後藤さんも、理由はどうであれ助けるのが国の役割だったはずです。
助けるどころか、日本の世論は後藤さんのお母さんに恥知らずと圧力をかけ、後藤さんに腹を斬れだの、舌を噛んで死ねだの、自殺しろだの言う顛末。
この状況では、拉致被害者家族も本音を言い難いのではないでしょうか。
交渉してでも取り戻して欲しい・・・それが家族の本音ではないかと思います。
金体制の為に、交渉や人道支援も辞さないと言っているのではありません。
拉致被害者と家族の再会の為です。
生きている間に再会を実現したい一心であることを理解して頂きたと思います。
今年は結果を出さなければいけません。
さもなくば、私達、日本人にとって最悪の結果が生じる可能性があります。
拉致被害者と家族が生きている間に再会を実現しなければ意味が無いのです。
拉致は現在進行形のテロです。
私にとって金体制は勿論、敵ですが・・・最大の敵は時間です。
人の生命には時間が限られています。
そのことを、努々忘れず、拉致被害者と家族の再会を願い、ひとりひとりが自分の出来る範囲で出来ることをやって頂きたいと願います。
これをもって拉致被害者とストックホルム症候群という題名での論考にピリオドを打ちたいと思います。
拉致被害者奪還に勇ましい発言や奇異な行動は必要ありません。
必要なのは家族の再会を願う一滴の愛です。
一滴の愛が降り注ぎ、海に流れ、やがて津波となって拉致被害者を奪還することを信じています。
了
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